今日は弦のセクション練習。事前に配布された資料は、主に弦楽器の奏法についてでした(これまた40ページ超の大作…予習予習)。
まずは、最初にチューニング。
「今日は僕に合わせて」
と、指揮者が自分の楽器をチューニングして、各弦をひとつずつ合わせます。
「これはミーントーン。ミーントーンはいろいろあるけど、細かい説明は抜き。モーツァルトはともかく、Cの曲がメインになるから、このチューニングでいきます。じゃあ、全員で開放弦を弾きましょう。チェロはC、コントラバスはG、ヴィオラはC、セカンドはG、ファーストはEね」
指示通り、恐る恐る開放弦を弾いてみると、なんと美しいこと! 解放弦だけでこんなに深い響きがでるなんて、驚きです。
「開放弦を上手に使うと、音の響きに幅がでます。そのためには、開放弦が使えるようにしないといけない。ピタゴラスや平均律でチューニングすると、どうしてもEが邪魔になる。だから、E線の開放弦を避けることになる一因なんだんけど、もったいないでしょ。みなさん、コルグのOT120を買って、ミーントーンのチューニングに慣れて下さい」とのことです(うちにもコルグOT120があるのですが、いまいち使いこなせていない…反省)。
練習は、モーツァルトでまず奏法の確認。ソティエとスピカートの違い(モーツァルトでは手首の縦運動を使わないこと!)、前に進む音の違いなど、とても細かい点まで、奏法の指示がありました。確かに、指揮者が弾き比べると、まったく雰囲気が変わることがわかります。精進せねば・・・
2曲目のベートーヴェンの1番では、びっくりな体験が。
序奏の5小節目から、ヴァイオリンが旋律を弾いている裏で、ヴィオラが長い下降の副旋律を演奏しますが、最初に演奏してみた時にヴィオラのメンバーはヴィブラートをかけて「歌って」弾いていました。確かに歌いたくなる旋律ですし、気持ちはわかります。でも・・・
「ヴィオラの旋律、聞こえた?」
指揮者に問われると、ヴァイオリンのうしろやコントラバス(対抗配置なので、下手側)は「よく聞こえません」
「じゃあ、ヴィブラートはずして弾いてみて。pのままでいいから」
普通、聞かせようとすると音量を大きくしたりヴィブラートをかけたり(大きくしたり)しますよね。それの正反対です。怪訝そうなヴィオラパートを尻目に、もう一度冒頭から。すると、コントラバスのメンバーに衝撃が。「はっきり聞こえます!!」
そうなんです。ヴィブラートは諸刃の刃。非常に効果的な歌う武器ではありますが、音程や動きを埋没させてしまう危険性があるのです。
「僕はピリオド奏法の信者じゃないけど」と指揮者。「ヴィブラートはとっておきのアイテムとして大切にとっておくこと。特に、他の楽器が細かい動きをしている時に、同じ音域で旋律がヴィブラートをかけると、旋律の動きが不明瞭になる。このようなところでヴィブラートをかけると、聞かせるためにどうしても大きく弾きたくなる。それでは、よい緊張感が失われてしまう」とのことです。実際にヴィオラのトップも「このほうが、旋律を弾いている気分がする」。
「なれるまでは、ヴィブラートをかけるところは指示します」と、指揮者。でも、普段からヴィブラートをたくさんかけて弾こうとしていた私たちは、ついうっかり長い音符にヴィブラートをかけていまいがち。そのつど「そこ、いらないよ」との指摘が。確かに、言われたところでヴィブラートを外すと、和音がきれいに聞こえたり、動きがはっきりしたり、フレーズの終わりが自然と落ち着いたり、とさまざまな効果がありました。
最後は「エロイカ」。
前回同様、音楽の進行についての解説。楽譜を大きく捉えること(音符を積み上げてリズムを作らない)など、当たり前のようでなかなかできないことをたくさん指示されました。次回はどんな「びっくり」があるか、練習が楽しみです。